かすがい市民活動情報サイトささえ愛センター(市民活動支援センター)助成金2026年度オーガニック給食推進助成

2026年度オーガニック給食推進助成

更新日:2025年12月12日

アクト・ビヨンド・トラスト(以下、abt)は2010年の設立以来、ネオニコチノイドと呼ばれる種類の農薬に関する調査研究、農薬に頼らない農業と社会の実現をめざす活動をサポートしてきました。1990年代に登場し、害虫防除に大量に用いられるようになったネオニコチノイド系農薬。この農薬は根などから植物内部に浸透するため洗っても落ちず、環境中で分解されにくいため長く残留することがわかっています。また、強い神経毒性により昆虫だけでなくヒトを含む哺乳類の神経伝達や発達にも影響を及ぼすことが、研究によって解明されつつあります。こうした危険性があるにもかかわらず、多くの日本人は知らず知らずのうちにお米や農作物、飲料、その他の加工品から日常的にこの強力な殺虫剤を取り込んでしまっている現状です。

国は未来の子どもたちの健康を守るために大きな一歩を踏み出しました。2020年に有機農業推進に関する基本的な方針が示された後、2023年にはみどりの食料システム法が制定され、環境と調和のとれた食料システムの確立に関する基本理念などを定め、農林漁業および食品産業の持続的な発展、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図るとされています。また、そのような目標を達成するために、全国の地方自治体がオーガニックビレッジ宣言を行ない始め、各地の教育機関や市民団体の活動を後押ししています。そのような行政の後押しを受け、2023年度中に学校給食で有機農産物を使用した自治体が278市区町村となったことを農水省が公表しました(2022年度の4割増し)。オーガニックビレッジを宣言した自治体数に比例して、オーガニック給食はさらに増えると予想されます。
※2025年8月29日時点で、全国150の市区町村がオーガニックビレッジを宣言しています。

けれども、有機農作物の生産と調達、調理スタッフの確保や育成、事業を支えるための資金的な問題など、オーガニック給食を取り巻く課題はまだまだ山積みです。各地で芽生え始めたこの素晴らしい動きを加速し、オーガニック給食を実現・普及・発展させるためには、個人や団体に対する資金的支援とともに、オーガニック給食にまつわる課題やノウハウを市民社会で広く共有していくことが重要だと考えました。

本助成プログラムは、幼稚園や保育園、小学校などの教育機関をはじめ、オーガニック給食の実現に向けて活動する市民団体や個人、生産者、さまざまな事業者を対象とします。農薬の影響を受けやすい成長過程にある子どもたちの健康を守る社会をめざして、皆さまからの意欲的なご応募をお待ちしております。

外部リンク https://www.actbeyondtrust.org/info/21680/
実施団体 一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト
助成対象

応募資格

給食のオーガニック化(慣行農法による農作物や加工品を使用しないこと)をめざしている下記の団体
※地域、法人格、活動実績は問いません

  • 幼稚園(こども園)や保育園、小学校、中学校、特別支援学級など[※公立、私立は問いません]
  • 地域のオーガニック給食実現に向けて協力・連携している市民団体(ボランティアグループ、NPO/NGO、子ども食堂)や個人
  • オーガニック給食を提供している有機農産物の生産者や配給業者(小売事業者、飲食サービス事業者、加工食品製造事業者、流通事業者)[※具体的な上記の保育施設や教育機関とのコラボレーションによる申請であることが条件]

助成対象活動

  • オーガニックな給食を提供する活動 
    例:幼稚園や保育園、子ども食堂などで提供する給食を有機の食材に転換しようとする具体的な試み(週1回あるいは月1回のオーガニック給食DAY開催など)
  • オーガニック給食の実現・継続をめざす準備活動 
    例:仕入れ先(生産者)の探索、栄養士・調理師・コーディネーターの育成・探索、自治体や協力機関に対する折衝、実行委員会の組織化、活動を進めるための合意形成など
  • オーガニック給食をさらに普及させるためのPRやロビー活動 
    例:自治体や政府に対するロビー活動、市民対象の普及啓発イベント(食育授業や調理教室、映画上映など)の開催、情報発信の活動

【わたしたちが後押ししたい「オーガニック」の定義について】
abtの“オーガニック給食推進助成”では、有機農業推進法(2006年施行)の取り組み水準で進められている農業の普及と発展をめざしています。したがって、その水準に達している有機農産物を活用した給食の導入、ないしその水準からのさらなる進展と社会への波及・浸透を試みる活動が、本助成プログラムの対象になります。

つまり本助成プログラムは、有機JAS認証を取得した農作物を使うことを条件としません。現在は国際的な有機水準に至っていなくても化学農薬や化学肥料、遺伝子操作技術を使用しない農作物を材料にした給食の提供(自治体への交渉などの準備的活動を含む)、あるいは保育施設や教育機関に対するオーガニック給食導入の働きかけ、オーガニック給食を社会へ普及させる活動を助成します。

助成対象期間

2026年4月1日(水)~2027年3月31日(水)

※ 1年を通した取り組みではなく、期間を限定したイベントやキャンペーンなどの活動も対象
※ 助成対象とする支出が期間内であることが条件(会計報告の際に領収書コピーを提出)

 

助成額と助成対象費用

助成総額:150万円

・はじめの一歩コース……オーガニック給食に取り組み始めたい申請者(上限10万円×3~4件)
・ジャンプアップコース……実施している活動を飛躍・普及させたい申請者(上限50万円×2~3件)
※コースによって申請書の書式が異なります。ご注意ください。

【助成対象費用】
・ 自己資金の割合は問いません。
・ 対象費目は「助成対象費目詳細」をご参照ください。
・ 実施期間中に費目間の流用(助成額の30%以内)が生じる場合には、その旨を事前に報告し、承認を得たうえで実行してください。30%以上の流用は原則として認められません。

問い合わせ先 〒154-0005 東京都世田谷区三宿1-14-8 三宿バドスクエア308
一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト オーガニック給食推進助成係
担当:美濃部真光 
電話03-6665-0816(代表) ※平日10:00~19:00
E-mail:organiclunches@actbeyondtrust.org
募集期間 ~2025年12月31日(水)

この記事を見た人はこんな記事もチェックしています